エチレンジアミン四酢酸イオンを配位した数種コバルト(III)錯体の熱分解生成物

書誌事項

タイトル別名
  • The Thermal Decomposition Products of Several Cobalt(III) Complexes Coordinated with Ethylenediaminetetraacetate

説明

エチレソジアミン四酢酸(EDTA=Heedta)を配位した8種のCo(III)錯体(K[Co(edta)]・2H2O,Na[CoBr(Hedat)]・2H20,Na[CoCl(Hedta)]・2H2O,Na[Co(NO2)(Hedta)]・2H20,Na2[CoBr(edta)]・3H2O,Na2[CoCl(edta)]・6H20,H[CoBr(Hedta)]・2H2OおよびH[CoC1(Hedta)]・2H2O)を加熱分解させると,中心のCo(III)イオソはCo(II)イオンに還元される。分解生成物をCo(III)錯体に再酸化し,イオソ交換法により+1,0,-1価の錯体部分に分離同定した。また各錯体の定量も合わせ行ない,生成物の分布を明らかにした。いずれの錯体の場合も,出発物質に含まれるEDTAの約50%が分解を受けずにそのまま残っていることが判明した。このことから熱分解反応には分子間電子移動反応径路が含まれているものと推定した。無電荷部分はエチレンジアミンーN,N,N-三酢酸あるいはN-メチルエチレンジアミンーN,N,N一三酢酸を含むCo(III)錯体であり,+1価部分はエチレンジアミンニ酢酸(EDDA=H2edda)あるいはN一メチル置換EDDAを含むCo(III)錯体と推定した。また,いわゆる熱キレート化反応が起こるかどうかについても検討した。

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