ヒト血中リポタンパクサブフラクションのコレステロール分布測定用バイオリアクターシステム

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タイトル別名
  • A Bioreactor System for the Determination of Cholesterol Distribution in Separated Human Serum Lipoprotein Classes
  • ヒト ケッチュウ リポ タンパク サブフラクション ノ コレステロール ブンプ

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抄録

本研究は心筋梗塞に密接に関連する血中リポタンパクサブフラクション中のコレステロールエステル含有量を測定するための自動臨床分析法の開発に関するものである。具体的には,リポタンパク中のコレステロールエステルに反応し, 最終的に過酸化水素を生じるコレステロールエステルヒドラーゼ(CEH)およびコレステロールオキシダーゼ(COD)を,リポタンパクと相互作用のない排除クロマトグラフィー用ゲルに固定化し,これをバイオリアクター型検出器として,リポタンパク分離用の排除クロマトグラフィー用カラム後方に接続した。CEHおよびCODはグルタルアルデヒドをスペーサーとして用いることで固定化できた。このシステムで生成した過酸化水素をオンラインで発色することで,550nmに吸収極大をもつキノンジイミン色素を生成し,これをモニターしたところ,低密度および高密度リポタンパクに由来するピークを得た。この溶出挙動は,過去に報告されたCEHおよびCODを水溶液発酬として消費する方法によって得られた結果とよい相関をみた。またピークの溶出容量,理論段相当高,面積を詳細に検討したところ,これらが本研究の目的である高脂血症の型の認識を可能にすることを見いだした。以上のように本研究は,今日の最大死因の一つである心筋梗塞を予知し,また治療経過をモニターするのに大きな可能性をもつ方法を提供するものである。さらに本研究で得たバイオリアクター型検出器は血中リポタンパクを選択的に(特異的に)検出するものであり,「分子認識とその応用」とい今回の課題に適合するものである考える。

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