書誌事項
- タイトル別名
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- Mechanism of Adsorption of Mercury(II) Ion on Activated Carbon
- 活性炭による重金属イオンの吸着 I 活性炭による水銀(II)イオンの吸着機構
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説明
活性炭(石炭原料,水蒸気賦活)による水銀(II)イオンの吸着におよぼすpH,陰イオン,金属イオン,灰分および温度の影響を調べ,また,活性炭に吸着された水銀の脱着・溶離実験を行ない,活性炭による水銀(II)イオンの吸着機構について検討した結果,つぎの結論が得られた。<BR>(1)水銀(II)イオンは塩酸酸性(pH1~4)で非常によく吸着される。<BR>(2)ハロゲン化物イオンが共存すると水銀(II)の吸着率が良くなる。その効果の大きさはF- < Cl- < Br- < I-の順序であり,HgX42-錯体の安定度定数の大きさの順序と一致する。このことより水銀(II)はHgX42-錯体の形で活性炭に非常に吸着されやすいことがわかった。<BR>(3)酸性(HCI)側とアルカリ性(NaOH)側では水銀(II)の吸着機構が異なる。酸性ではHgCl42-錯体の吸着による可逆的吸着であるが,アルカリ性ではHg(OH)2分子の吸着および還元吸着が考えられ,その吸着は不可逆的である。しかし,アルカリ性側でもヨウ化物イオンが共存すればHgI42-として活性炭に非常によく吸着される。<BR>(4)塩酸酸性で吸着された水銀はうすい水酸化ナトリウム水溶液で容易に溶離される。<BR>(5)Na+,Ca2+およびFe3+は水銀(II)の100倍量共存しても塩酸酸性中での水銀(II)の吸着にほとんど影響がなかった。
収録刊行物
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- 日本化学会誌(化学と工業化学)
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日本化学会誌(化学と工業化学) 1976 (5), 808-813, 1976-05-10
公益社団法人 日本化学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679394278784
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- NII論文ID
- 130004155632
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- ISSN
- 21850925
- 03694577
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可