TBA法による二三のポリマーの熟分解に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Study of Thermal Degradation of Several Polymers by Torsional Braid Analysis

抄録

ポリ塩化ビニル(PVC),ポリアクリロニトリル(PAN),ポリスチレン(PSt),ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の空気中における熱分解反応を減衰振動法の一種であるTBA法(Torsional Braid Analysis)ならびに赤外吸収スペクトル(IR)の測定により研究した。<BR>TBA測定は一定昇温速度あるいは一定温度のもとで行なった。測定周波数は約0.15~0.30Hz,温度範囲は室温から400℃付近までである。PMMAを除く3種のポリマーでは相対剛性率(Gr),対数減衰率(λ)の温度依存曲線が反応の進行とともに顕著に変化することが認められた。Grの変化のはげしい温度領域において,各温度でのGrの経時変化の初期傾斜を求め反応の見かけの活性化エネルギーを求めた。さらに一定温度でのGrの経時変化曲線の重ね合わせを試みたところ,それがなり立つことが認められた。この操作での移動量から同様に見かけの活性化エネルギーを求めた。<BR>IR測定の結果などから,これらのGr, λの変化は主として以下の反応によると推定された。すなわち,PVCでは脱HCl反応による二重結合の生成など,PANではニトリル基の反応による分子内環化反応など,PStではエーテル結合による橋かけ構造の生成などによるものと考えられる。PMMAにおいては,解重合反応にともなうG,λの変化は観測されなかった。

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