ラジカル重合の生長反応の機構の一考察 ―メチルスチレンのラジカル重合における超共役効果に対する N,N-ジメチルアニリンの作用―

書誌事項

タイトル別名
  • A Consideration on Propagation Mechanism of Radical Polymerization -Influence of N, N-Dimethylaniline on the Hyperconjugation Effect in Radical Polymerization of Methylated Styrenes-
  • ビニル重合 CCCXVIII  ラジカル重合の生長反応の機構の一考察  メチルスチレンのラジカル重合における超共役効果に対するN,N′‐ジメチルアニリンの作用

説明

メチル化スチレンの重合を N,N-ジメチルアニリン(DMA)の存在または不存在でアゾビスイソプチロニトリル(AIBN)を開始剤としてベンゼン中で行なった。p-メチル-,p-エチル-,3,4-ジメチル-,2,4-ジメチル-スチレンの場合はDMA濃度の増大とともに重合速度(Rp)は上昇し,極大点を経て減少してゆく。一方でスチレン,m-メチル-, 2,5-ジメチル-, p-t-ブチル-スチレンはDMAの作用はまったく見られない。これらの現象はスチレン類のメチル基の超共役効果をDMAが促進していること以外に説明の仕方がないと思われる。その機構を追究するために,生長反応が新しく考察された。すなわちラジカル重合において生長反応での主な遷移状態を(3a)とすることである。そのことは生長反<BR><BR>応の活性化エネルギーEPと,ラジカルからモノマーへの電子移行のしやすさ([Ea(M)-Ip(R)]の値で示されるとした)との間に直線関係があることで支持される。ただしEa(M)はモノマーの電子親和性,IP(R)はラジカルのイオン化ポテンシャルで,SHMO法で計算された。この(3a)式によってメチル化スチレンのラジカル重合におよぼすDMAの効果が説明された。

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被引用文献 (2)*注記

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