シロダモ種子油脂肪酸中の4-アルケン酸類(炭素数10,12,14)の幾何異性

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タイトル別名
  • Stereoisomerism of 4-Alkenoic Acids (C10, C12 and C14) in the Fatty Acids from the Seed Oil of Litsea glauca Sieb.
  • シロダモ シュシユ シボウサン チュウ ノ 4-アルケン サンルイ タンソスウ 10 , 12 , 14 ノ キカ イセイ

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抄録

シロダモ(Litsea,glauca Sieb.)種子油中に含まれる不飽和脂肪酸成分であるデセン酸ドデセン酸およびテトラデセン酸のメチルエステル類を硝酸銀-シリカゲルクロマトグラフィーにより各不飽和酸メチルエステルとして単離した。単離したデセン酸メチル,ドデセン酸メチルおよびテトラデセン酸メチルをArmstrong,Hilditchの方法でアセトン中過マンガン酸カリウムで酸化するとき,二塩基酸としてコハク酸一塩基酸としておもに各アルケン酸に対応するヘキサン酸,オクタン酸およびデカン酸を得ることから二重結合の位置は4-位にあることを確かめた。また各アルケン酸メチルのNMRスペクトルの特性吸収は4.62~4.63τを中心とする多重線と7.65~7.67τに見かけ上の二重線が認められることからも4-位に二重結合のあることを裏づけた。IRスペクトルは965cm-1付近にトランス体の特性吸収がなく,720cm-1を中心とする幅広い吸収があることから,これらのアルケン酸はシス体である。さらにこれらのcis4-アルケン酸類の定数を測定し,結晶性誘導体としてかブロモフェナシルエステルとかフェニルフェナシルエステルの2種をつくり,さきに岩切が報告した同炭素数のtrans-4-アルケン酸類およびダンコウバイ(Lindera obtusiloba)の種子油から小森,上野らが分離した東柏酸(4-デセン酸),リンデル酸(小ドデセン酸)およびツヅ酸(小テトラデセン酸)と,それらの上記2種の結晶性誘導体の定数との比較を行なった。

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