シロダモ種子油中に存在するcis-4-アルケン酸類の合成

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タイトル別名
  • The Synthesis of cis-4-Alkenoic Acids lsolated from the Seed Oil of Litsea glauca Sieb.

抄録

cis-4-デセン酸,cis-4-ドデセン醸およびcis-4-テトラデセン酸をWittig反応を用い,[3-(メトキシカルボニル)プロピル]トリフェニルホスホニウム=ヨージドをジメチルホルムアミド中ナトリウムメトキシドと作用させて得たホスホランに,対応するアルカナール(炭素数6,8,10)を縮合させて得たメチルエステル類をケン化して合成した。<BR>合成した酢酸のメチルエステルをアセトン中過マンガン酸カリウムで酸化すると,二塩基酸としてコハク酸,一塩基酸としておもに各アルケン酸に対応するヘキサン酸オクタソ酸およびデカン酸を得ることから二重結合は4-位にあることを確めた。またNMRスペクトルは4,65~4.70を中心とする多重線と7.63~7.72に見かけ上の二重線が認められることからも4-位に二重結合のあることを裏づけた。IRスペクトルは965cm-1付近にトランス体の特性吸収がなく,3010cm-1の吸収と720cm-1を中心とする幅広い吸収があることから,シス体であることを確認した.<BR>さらにこれらのcis-4-アルケン酸類とそのメチルエステルの定数を測定し,結晶性誘導体としてP-プロモフェナシルエステルとP-フェニルフェナシルエステルの2種をつくり,さきに報告したシロダモの種子油中から分離した同炭素数のcis-4-アルケン酸類と,それらの誘導体の定数との比較を行った.

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