ポリ(酢酸ビニル)の微細構造と加水分解反応速度

書誌事項

タイトル別名
  • The Fine Chemical, Structure and the Rate of Hydrolysis of Poly(vinyi acetate)
  • The fine chemical structure and the rate of hydrolysis of poly(vinyl acetate).

説明

ポリ(酢酸ビニル)(PVAc)のメタノール溶液中でゐアルカリによる加水分解反応,いわゆるけん化反応は反応の途中から反応速度が増大する特異な高分子反応として知られている。しかし,使用するPVAcの種類によってその状況が変化することがわかった。<BR>1)分岐が多く存在すると考えられるPVAc(例えば乳化重合法,懸濁重合法ポリマーなど)は,通常の溶液重合iPVAcにくらべてけん化反応の加速の程度を示す加速定数(m)が小さく,反応速度定数も小さい。<BR>2) 分岐に相当する微量のコモノマーで重合したPVAc,バルク重合PVAcなどのけん化速度は低い。<BR>3)PVAcを完全けん化して,さらに再アセチル化してPVAcにもどしても,どのポリマーも原PVAcとけん化速度は同一であり,加速定数はけん化反応によって容易に切断される側鎖分岐には関歪係がないと考えられる。<BR>4)13CNMRによってPVAcの短鎖分技を直接測定し,加速定数との関係をみたところ両者には密接な関係のあることがわかった。以上のことからけん化反応とPVAcの分岐の間には密接な関係が存在し,けん化によって切断されない主鎖に直接結合している分岐のため,けん化反応の進行が妨害あるいは阻害されるものと考えられる。

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