酢酸中でのベンゾイルアセトンの過酢酸酸化

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  • Oxidation of Benzoylacetones with Peracetic Acid in Acetic Acid

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説明

酢酸中でのベンゾィルアセトンとその誘導体の過酢酸酸化反応の速度をヨウ素滴定法で追跡した。本反応の初速度は次式を満足した。Rate= {k2 + k3 C H2SO4}CBACAcO2Hここで,CBAはベンゾィルアセトンおよびその誘導体の初濃度を表わす。初項および第2項は無触媒酸化および酸触媒酸化を表わしている。log k2対(σ+1.OOΔσR+)およびlogk3対σ のプロットは,それぞれ傾斜-0.79および-0.85の直線を与えた。<BR>酸化生成物として,最終生成物である安息香酸と二酸化炭素のほかにベンズアルデヒド,ピルビン酸フェニルグリオキサール,ベンゾイルギ酸および安息香酸アセトニルなどの中間反応生成物をGCおよびTLCで確認した。<BR>これらの諸事実から,過酢酸の陽性酸素原子の攻撃によってベンゾイルアセトンはエポキシドを形成し,これが開裂して生じる多数の中間酸化生成物を経て最終生成物としての安息香酸を与える経路が主反応と考えられる。しかし,エポキシド経由では生じない安息香酸アセトニルを与えることからBaeyer-Villiger反応も一部起こっているものと考えられる。

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