顎関節症の診療ガイドライン作成における“Patient Question”収集のための患者ボランティアに対する個別面接調査

  • 木野 孔司
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 全人的医療開発学系 包括診療歯科学講座 顎関節咬合学分野
  • 覚道 健治
    大阪歯科大学口腔外科学第2講座
  • 杉崎 正志
    東京慈恵会医科大学歯科学教室
  • 星 佳芳
    北里大学医学部衛生学公衆衛生学教室
  • 湯浅 秀道
    東海市民病院分院歯科口腔外科
  • 松香 芳三
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 機能再生・再建科学専攻 口腔・顎・顔面機能再生制御学講座 インプラント再生補綴学分野
  • 齋藤 高
    東京慈恵会医科大学歯科学教室
  • 西山 暁
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 全人的医療開発学系 包括診療歯科学講座 顎関節咬合学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Interview of volunteer patients for collecting patient question in the clinical guideline for temporomandibular disorders

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抄録

顎関節症に対する初期治療ガイドライン作成における,Patient Question(PQ)収集を目的として,症状経験ボランティア患者への個別面接調査を実施した。対象者(以下インフォーマントと呼ぶ)を新聞紙上で募集した。19名の応募者の内10名(女性9名,男性1名)を委員会において検討したうえでインフォーマントと選定した。この10名に対する個別面接調査は,専用施設を用いて半構造化面接の手法に従って行った。質問に対する回答は録音したうえでテキスト化し,テキストマイニングの手法によってデータ化し集計した。<br> 顎関節症への病識としては「あごがずれる病気」,「歯のかみ合わせが悪いと起こる病気」という回答がともに4例と最も多かった。しかしそのような疾患説明を受けた患者は1例のみであった。受けた治療はマウスピースが3例で最も多かったが,その治療の必要性,実施理由の説明を受けたインフォーマントはいなかった。治療に対する満足は6名が表明したが,不満との回答も2例みられた。PQの構成においては雑音,開口障害,疼痛に対して,提示した治療法では開口練習,マッサージ,湿布が最も多く,安静,整体,マウスピースが続いた。<br> この面接調査により,インフォーマントがもつ病態や治療法に対する知識は全般的に少ないことが明らかになった。この原因として歯科担当医による病態や治療の説明がほとんどなされていないことが考えられた。<br>

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参考文献 (2)*注記

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