比抵抗探査法と水の安定同位体比を用いた温暖湿潤気候におけるトウモロコシの吸水深度に関する研究

  • 佐藤 透
    Graduate School of Science and Technology, Kumamoto University (Currently at:Nishimatsu Construction Co., Ltd.)
  • 山宮 和智
    JX Nippon Nikko Exploration & Development Co., LTD.
  • 小野 昌彦
    Graduate School of Science and Technology, Kumamoto University
  • 丸山 篤志
    National Agricultural Research Center for Kyushu Okinawa Region
  • 一柳 錦平
    Graduate School of Science and Technology, Kumamoto University
  • 嶋田 純
    Graduate School of Science and Technology, Kumamoto University

書誌事項

タイトル別名
  • The depth of water uptake by maize root system estimated by 2-D resistivity monitoring and water stable isotope under the warm humid climate
  • ヒ テイコウ タンサホウ ト ミズ ノ アンテイ ドウイタイヒ オ モチイタ オンダン シツジュン キコウ ニ オケル トウモロコシ ノ キュウスイ シンド ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

生育に伴う蒸散量の変化が大きいトウモロコシ(Zea maize L.)を対象として,各生育ステージにおける吸水深度の特徴と,栽植密度が吸水深度に与える影響の検討を行った。土壌水分量の鉛直2次元断面の観測を行うことができる比抵抗探査と,吸水深度の推定に土壌水分量を必要としないアプローチである土壌水と茎の水の安定同位体比を用いて吸水深度の把握を行った。<BR> 吸水深度は蒸散活動と密接な関係をもっており,蒸散活動が最も盛んな開花期では土壌乾燥に伴う吸水深度の深部への移行が早くなった。また,開花期においては密植区と疎植区ともに土壌面蒸発よりも蒸散の割合が大きかったが,密植区は蒸散量が疎植区よりも多いため土壌乾燥が早く進行した。このため,密植区のトウモロコシは根を鉛直方向に多く伸長し,より深部の土壌水を利用するようになることが示された。<BR> 葉が枯れるのに伴い蒸散活動が減衰する登熟期では,土壌乾燥に伴う吸水深度の深部への移行が開花期より遅くなった。また,登熟期では,疎植区において土壌面蒸発と蒸散の割合が同程度であったため,開花期と比較して密植区と疎植区の浅層における吸水可能な土壌水分量の差が少なくなっていた。このため,密植区と疎植区における土壌乾燥に伴う吸水深度の深部への移行速度に明確な違いがなくなることが示された。

収録刊行物

参考文献 (53)*注記

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