稲わらからのバイオエタノール生産プロセスにおける同時糖化発酵の窒素源としての蒸留残渣の自己再利用

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タイトル別名
  • Self-reuse of Distillation Residue as a Nitrogen Source for Simultaneous Saccharification and Fermentation in a Bioethanol Production Process from Rice Straw

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本研究では,稲わらからのバイオエタノール生産プロセスにおける蒸留残渣を同時糖化発酵の窒素源として自己再利用する可能性を検討した。バイオエタノール製造のパイロットプラントで得られた蒸留残渣より,糖やタンパクなどの水溶性成分を含む上清の液体層(DR-L)と未分解炭水化物やリグリンなどを含むスラリー層(DR-S)に分画し,さらにDR-Sを乾燥して粉末にしたDR-Pを得た。繊維,窒素,アミノ酸含量などを考慮した上で,粉末コーンスティープリカー(CSL)と比較しながら,各蒸留残渣サンプルの栄養源としての効果を同時糖化発酵で評価した。<BR>DR-Pの窒素含量はCSLの半分以下であったが,酵母の増殖に利用可能なアミノ酸含量はDR-Pが2.24%でCSLの3.64%と大きな差はなかった。また,DR-LとDR-Sを仕込水とCSLの代りに用いた同時糖化発酵では3.52%の最終エタノールが得られ,これはCSLを用いた場合の3.28%と比較して遜色のない値であった。これらの結果から蒸留残渣を自己再利用することで,同時糖化発酵における栄養源を代替することが可能であるとともに,水の循環利用にも貢献できることが示された。

収録刊行物

  • 環境科学会誌

    環境科学会誌 28 (5), 335-342, 2015

    社団法人 環境科学会

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