がん悪液質の病態
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- 赤水 尚史
- 京都大学・医学部付属病院・探索医療センター
書誌事項
- タイトル別名
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- Pathophysiology of cancer cachexia
説明
末期がん患者の多くは、食欲不振・体重減少・全身衰弱・倦怠感などを呈し、悪液質(カヘキシア)と呼ばれる状態に陥る。がん悪液質は、生命予後やquality of lifeに多大な影響を与える点で重要である。悪液質の特徴は、脂肪組織のみならず骨格筋の多大な喪失を呈することである。このような病態をもたらす要因は、単なる食欲低下とエネルギー消費の増大ではなく、その上流にサイトカインネットワークや腫瘍特異的物質の産生が存在すると考えられている。また、患者の年齢や活動度などによってその病態が修飾されることが最近指摘されている。がん悪液質に関連するサイトカインや腫瘍由来物質の同定とそれらの筋肉や脂肪などに対する作用が分子レベルで精力的に検討されているが、このような研究の進展が新たな治療標的の発見や治療法の開発に結びつくと期待されている。
収録刊行物
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- 静脈経腸栄養
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静脈経腸栄養 23 (4), 607-611, 2008
日本静脈経腸栄養学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679401991808
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- NII論文ID
- 130004487165
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- ISSN
- 18813623
- 13444980
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可