小児睡眠呼吸障害に対するアデノイド口蓋扁桃摘出術の成績 : 手術前後の PSG による検討

  • 馬場 洋徳
    新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科 佐渡総合病院耳鼻咽喉科
  • 相澤 直孝
    新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 高橋 奈央
    新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 土屋 昭夫
    新潟県立中央病院耳鼻咽喉科
  • 髙橋 姿
    新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Outcome of adenotonsillectomy for children with sleep disordered-breathing

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説明

小児の睡眠呼吸障害 (Sleep Disordered-Breathing: SDB) は, アデノイド (咽頭扁桃増殖) や口蓋扁桃肥大が主な原因であり, 手術により改善が期待される. 今回われわれは, 手術加療を行った小児 SDB 例で, 術後1年経過した時点で PSG を行い, その治療成績について比較検討を行った.<br> 対象は, 2009年2月から2012年9月までに重度の SDB と診断されアデノイド・口蓋扁桃摘出術を施行した12歳未満の小児で, 術前と術後1年目に PSG を行った症例39例を対象とした. 治療効果の判定は, AASM2007年スコアリングマニュアルに従い, 独自の治療判定基準により比較検討を行った.<br> 結果は, 術前 OAHI 22.5±2.63, 術後 OAHI 1.3±0.17であった. 効果の判定結果は, 治癒17例, 改善21例, 不変0例, 悪化1例と, 治癒・改善が97.4%を占める良好な結果を得た. 悪化の1例は, アデノイド再燃による SDB の再発例であり, アデノイド再切除術を施行し, PSG にて治癒を確認した.<br> 今回の結果では, 従来の報告に比べて非常に良好であった. その理由として, 先天性疾患や肥満などの合併例を対象から除外していることがあげられる. SDB が重度であってもアデノイドや口蓋扁桃肥大が原因であれば手術により著明改善が見込まれる. しかし, アデノイドの再燃により SDB 再発をきたした症例もあり, しばらくの間は再発を念頭に経過観察を行う必要があると考えられた.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 28 (2), 205-209, 2015

    日本口腔・咽頭科学会

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