セツキシマブを併用して化学療法を施行した再発性耳下腺高悪性粘表皮癌の1例

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  • A case of parotid mucoepidermoid carcinoma treated with cetuximab

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抄録

セツキシマブは上皮成長因子受容体阻害薬であり, 頭頸部がんにおける初の, 唯一の分子標的薬である. 耳下腺癌に対する治療は手術療法が中心を担うが, その症例の少なさから化学療法に関しては確立されたレジメンはない. このたび耳下腺高悪性粘表皮癌の頸部リンパ節・腋窩リンパ節・皮膚転移再発に対し, セツキシマブを併用した化学療法を行い, 頸部および腋窩リンパ節転移に関しては完全奏功, 皮膚転移は増悪した症例を経験した. 耳下腺癌においては約70%の症例で上皮成長因子受容体の過剰発現が認められていると報告されており, 本症例でも陽性であった. セツキシマブを併用した化学療法も耳下腺癌に対する化学療法の選択肢の一つとなる可能性がある.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 27 (1), 97-104, 2014

    日本口腔・咽頭科学会

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