インドネシア,ブランタス川上流域における放射性同位体Pb-210exを用いた土壌侵食量と土砂供給源の推定

  • 内田 太郎
    国土交通省国土政策総合研究所 現 独立行政法人 土木研究所
  • 高橋 史
    京都大学大学院地球環境学舎
  • 恩田 裕一
    筑波大学大学院生命環境科学研究科生命共存科学専攻
  • Dian SISINGGHI
    山梨大学医学工学総合研究部土木環境工学専攻
  • 加藤 弘亮
    筑波大学大学院生命環境科学研究科生命共存科学専攻
  • 野呂 智之
    国土交通省国土政策総合研究所 現 独立行政法人 土木研究所
  • 小山内 信智
    国土交通省国土政策総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Estimating Soil Erosion Rate and Sediment Sources Using Radionuclide Pb-210ex in Upper Brantas River Basin in Indonesia
  • インドネシア ブランタスガワ ジョウリュウイキ ニ オケル ホウシャセイ ドウイタイ Pb 210ex オ モチイタ ドジョウ シンショクリョウ ト ドシャ キョウキュウ ゲン ノ スイテイ

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抄録

本研究ではインドネシア,ブランタス川上流域のスングルダムにおける堆砂量の増加の原因を定量的に把握するため,天然放射性核種のPb-210exを土壌粒子のトレーサーとし,森林地および耕作地の土壌侵食量を推定した.また,ブランタス川源流域とレスティ・アンポロン川流域で河床堆積物を採取し,またスングルダム堆積物について,Pb-210ex濃度に基づいて潜在的な土砂供給源からの土砂流出寄与率を推定した.森林地および耕作地における平均土壌侵食量は,それぞれ0.4 t ha-1 y-1 と11.1 t ha-1 y-1 であった.また,スングルダム堆積物に対する耕作地の表面侵食による土砂流出寄与率はブランタス上流域全体では約30 %と推定され,本流域において耕作地の表面侵食による土砂流出が主要な土砂供給源のひとつであることがわかった.また,スングルダム流域において,森林地と耕作地の表面侵食に由来する土砂生産量は約800,000t y-1と見積もられた.この値は既存研究で算出されたスングルダムの平均年間堆砂量の約30 %に相当し,ブランタス上流域全体の耕作地からの土砂流出寄与率との間に整合性がみられた.

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参考文献 (29)*注記

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