「中部山岳地域における土壌凍結および冬季土壌CO2濃度の年々変動とそれに及ぼす気象条件の影響

  • 濱田 洋平
    北海道大学大学院 地球環境科学研究院
  • 田中 正
    筑波大学大学院 生命環境科学研究科 現 筑波大学国際部 北京事務所

書誌事項

タイトル別名
  • Soil Freezing and Wintertime Soil CO2 Concentration Affected by Interannual Climate Conditions in the Central Mountainous Area, Japan
  • チュウブ サンガク チイキ ニ オケル ドジョウ トウケツ オヨビ トウキ ドジョウ CO2 ノウド ノ ネンネン ヘンドウ ト ソレニ オヨボス キショウ ジョウケン ノ エイキョウ

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説明

土壌凍結と環境因子との関係を把握することは,寒冷地域における冬季の水文現象を予測する上で重要である.著者らは中部山岳地域の森林流域内に設定した試験地において,土壌凍結とそれに関連する環境因子を1996~2003年にかけてほぼ毎月観測した.各年の最大凍結深(Dmax)と最大積雪深の間には,積雪の断熱効果に起因する明瞭な負の相関が見られた.積雪の影響を考慮した修正凍結指数もDmaxと強い相関を示し,この値が現在より約8割低下すると凍結が生じなくなること,この程度の低下は積雪深の増加によって容易に生じることが示された.2001-2002年冬季に実施した多点調査の結果,これらの関係は斜面方位によって大きく異なっていた.土壌中で生成されたCO2の大気中への放出が抑制された結果,凍結層下ではCO2濃度の上昇が見られた.冬季における深度別の最大CO2濃度はDmaxとともに増加したが,Dmaxが10cmを超えると相関が見られなくなった.近い将来における土壌凍結現象の予測には,冬季の気温上昇とともに積雪深の変化が重要である.

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参考文献 (37)*注記

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