褐毛和種繁殖雌牛の選抜に関する基礎的研究

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  • カツモウ ワシュ ハンショク メウシ ノ センバツ ニ カンスル キソテキ ケンキュウ

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抄録

1989年から約11年間の熊本県及び熊本県外で基本登録審査時に超音波測定された16, 342頭を基に, 褐毛和種繁殖雌牛の体測定値及び枝肉形質の遺伝, 環境要因の効果を解析し, 地域的特徴及び基本登録審査時の理想的体型についての検討を目的とした.最小自乗分散分析の結果, 皮下脂肪厚 (SFT) と脂肪交雑 (MS) の一部を除く枝肉形質に対して1%水準で有意な影響を及ぼすことが認められた.<BR>地域的特徴については, 放牧あるいは舎飼い等の管理形態の違いによる差よりは, むしろ地域間の飼養条件等による差が大きいことが窺われた。また、測定年次による影響は、胸最長筋横断面積 (MLTA) , SFT, 筋間脂肪厚 (IMFT) およびバラ厚 (RT) で、1999年まで年々減少する傾向が認められた。<BR>審査得点が上昇するにつれてすべての枝肉形質の値も大きくなる傾向を示し, 得点による差は顕著であった.審査月齢の差は全体に大きな差ではないが, MSを除くすべての枝肉形質において審査月齢が進むに連れて小さくなる傾向を示した。<BR>体高クラスの効果についてみると, 小さいクラスの牛群のみすべての枝肉形質において, 平均よりも大きな値を示した.また, MSについては, 体高が高くなるにつれて低くなる傾向が見られ, IMFTおよびRTについては, 体高が高くなるにつれて薄くなる傾向が見られた.胸囲クラス別の効果については、大きいクラスの牛群がMSを除くすべての枝肉形質において平均よりも大きな値を示した.体重クラス別の効果については, MLTAについて500kg未満の3クラスが: 全平均値を上回る値を示し, MSおよびSFTにおいても同様の結果を示した.

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