個票データにおける固体数とセル数との関係

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タイトル別名
  • Relations between the Number of Individuals and the Number of Cells in Microdata
  • コヒョウ データ ニ オケル コタイスウ ト セルスウ ト ノ カンケイ

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抄録

個票データの開示を行う場合には,個人などのプライバシーの侵害が起こらないようにするため,事前にデータの中で一意である個体がどの程度存在するかを検討しなければならない.本論文では,データに含まれる個体数と,各個体が持っている属性の組み合わせの数であるセル数との比などを考慮に入れて,全数調査における母集団一意である個体数と,標本調査における標本でも母集団でも一意である個体数について,ポアソン分布を用いたモデルとポアソンガンマモデルのもとで検討を行った.また全数調査においてはその期待値,標本調査においてはその推定値の上限を与えるパラメータを求めた.これは例えば標本調査で得られた個票データの開示に向けて,やや厳しくまたは最も厳しく推定した値でもなお安全であることを,官庁統計の個票データの提供を現在検討している研究者や行政関係者,およびそれらの調査に被調査者として協力している人々に示す目的によるものである.本論文の後半では,このような手法を労働力調査の個票の集計データに対して適用し,その安全性について検討を行った.その結果,小地域に関する情報が削除されたものを使用すれば,十分実用に耐えうる,しかも安全なデータの公開が可能であることが示された.

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