無葉緑植物タカツルランの棲息場所と棲息状況

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タイトル別名
  • ム ヨウリョク ショクブツ タカツルラン ノ セイソク バショ ト セイソク

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抄録

タカツルランはわが国の種子島, 屋久島以南および台湾や熱帯アジアに分布する無葉緑かつ全菌養のツル性ランで, その内生菌根菌としてキゾメウロコタケが報告されている。本種の棲息調査を鹿児島県口永良部島と徳之島で行い, 次の結果を得た。(1)本種が棲息する森林は, イタジイが優占する森林がほとんどであった。(2)本種の地上茎はそのほとんどがイタジイに付着し, とりわけその枯死木に付着しているのが多かった。(3)本種はイタジイを原木とするシイタケほだ木に付着している割合が多かった(このことは, 本種の内生菌根菌はシイタケほだ木にも棲息しているためと推定される)。(4)着花個体の地上茎の平均長は3.5m, 非着花個体の平均長は1.6mであった(花序が形成されるには, 地上茎が樹幹に着生後, さらに相当伸張す時間が必要であると推定される)。(5)本種は口永良部島などの分布北限域では5-6月に開花し, 11月には果実は完熟する。

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被引用文献 (1)*注記

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