外因系凝固反応とプロトロンビン時間の多様性

  • 橋口 照人
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科血管代謝病態解析学分野

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タイトル別名
  • Extrinsic coagulation cascade and diversity of prothrombin time

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<p>要約:プロトロンビン時間(PT)の原型は1935 年のQuick らの発表に遡る.PT 反応に関わる凝固第VII 因子(FVII),凝固第X 因子(FX),プロトロンビンはCa2+ を介してリン脂質膜上のphosphatidylserine に各々の分子のGla 残基を介して結合して酵素複合体を形成するが,PT の標準化を困難にする要因の一つとして細胞膜リン脂質成分の組成比の多様性が挙げられる.細胞膜リン脂質成分を反応の場とした組織因子(TF)/FVIIa複合体によるFX の活性化反応,あるいはプロトロンビナーゼ複合体によるトロンビンの生成反応には完全型から不完全型の多様性が存在して,PT はそれらの総和としての結果である.また,Ca2+ 濃度は至適濃度より高くても低くても酵素複合体の構成を妨げる結果となり凝固時間は延長する.トロンビンは構造上,酵素複合体から遊離できる分子であり反応液中のアンチトロンビンによる不活化の効率もPT 反応に影響する.</p>

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