人工膝関節置換術後の大腿神経ブロックによる鎮痛効果:間欠的投与と持続投与の比較

書誌事項

タイトル別名
  • Postoperative analgesia by femoral nerve block with ropivacaine 0.2% after total knee arthroplasty: continuous versus automated regular bolus techniques
  • ジンコウ ヒザカンセツ チカン ジュツゴ ノ ダイタイ シンケイ ブロック ニ ヨル チンツウ コウカ : カンケツテキ トウヨ ト ジゾク トウヨ ノ ヒカク

この論文をさがす

抄録

【目的】人工膝関節置換術の術後痛に間欠的あるいは持続大腿神経ブロックを行い,鎮痛効果を前向きに検討した.【方法】人工膝関節置換術が予定された20症例で,全症例を全身麻酔で行った.大腿神経ブロックは手術終了後,麻酔覚醒前に超音波ガイド下に,神経刺激装置を併用して行った.0.3%ロピバカイン20 mlボーラス投与後,0.2%ロピバカインを間欠的投与群(n=13)では1時間ごとに4 ml投与し,持続投与群(n=7)では4 ml/時で持続投与した.痛みが発現した時にペンタゾシン15 mgを筋注した.痛みは数値評価スケール,ペンタゾシン使用回数,膝関節可動域,患者満足度で評価した.【結果】術後の痛みの程度,膝関節可動域,患者満足度に両群間で有意の違いはなく,術翌日の間欠的投与群のペンタゾシン使用回数だけが持続投与群より有意に少なかった.術後鎮痛が満足ではないと間欠的投与群の50%,持続投与群の約30%が答えていた.【結論】膝関節置換後の鎮痛を,間欠的あるいは持続的大腿神経ブロックで行ったが,鎮痛効果は十分ではなく,ペンタゾシン使用回数が間欠的投与群で手術翌日に少なかった以外に明らかな違いはなかった.膝関節置換後の術後鎮痛法は,今後の検討が必要である.

収録刊行物

参考文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ