初診時問診票から得られる痛みと睡眠障害との関係について

  • 平野 敦子
    東京都立墨東病院麻酔科
  • 井関 雅子
    順天堂大学医学部附属順天堂医院麻酔科・ペインクリニック講座
  • 森田 善仁
    順天堂大学医学部附属順天堂医院麻酔科・ペインクリニック講座
  • 井福 正貴
    順天堂大学医学部附属順天堂医院麻酔科・ペインクリニック講座
  • 小松 修治
    順天堂大学医学部附属順天堂医院麻酔科・ペインクリニック講座
  • 稲田 英一
    順天堂大学医学部附属順天堂医院麻酔科・ペインクリニック講座

書誌事項

タイトル別名
  • VAS score for pain and sleep at the initial visit
  • ショシンジ モンシンヒョウ カラ エラレル イタミ ト スイミン ショウガイ ト ノ カンケイ ニ ツイテ

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説明

【目的】当科外来では初診の問診票で,痛みのVAS値と,痛みによる睡眠障害(以下,睡眠VAS)を調査している.疾患別と有痛期間別に両者のVAS値の相関点を明らかにすることを目的とした.【方法】3カ月間の初診時問診票から得られた情報より,疾患の割合,痛みVAS,睡眠VASを検討した.【結果】痛みVASと睡眠VASの平均値は,70.1 mmと47.6 mmであった.腰椎疾患と頸椎疾患の痛みVASと睡眠VASとは相関関係があり,頸椎疾患で痛みと睡眠VASの相関性がより高かった.帯状疱疹痛も痛みVASと睡眠VASが相関関係を示した.【結論】腰椎疾患,頸椎疾患,帯状疱疹痛において,痛みにより睡眠が障害されていることが分かった.腰椎疾患と比較して頸椎疾患で痛みVASと睡眠VASの相関性が高い理由から,頸椎疾患では夜間痛の軽減,腰椎疾患では体動時痛の軽減が必要とされるなど,同じ脊椎疾患でも必要な痛み対策が異なることが示唆された.帯状疱疹痛では症例数が少なく,有痛期間別の比較には至らなかった.今後さらに,疾患別,有痛期間別に痛みVASと睡眠VASを検討することで,適切な除痛法の提供につながると考える.

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参考文献 (6)*注記

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