マンモグラフィ検診の二次読影における遠隔画像診断の有用性に関する検討―マンモグラフィ検診遠隔画像診断支援モデル事業に参加して

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  • Assessment of the Usefulness of Telemammography for the Second Reading in Screening Mammography
  • ―マンモグラフィ検診遠隔画像診断支援モデル事業に参加して―

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抄録

[目的]わが国のマンモグラフィ検診における遠隔画像診断は,精度の高い読影医の移動時間の節約などによる有効活用あるいは地域を越えたシステム構築による情報一括管理や精度管理の統一が期待されている。今回,ソフトコピー診断による遠隔画像診断の有用性を検討した。<br>[方法]2県7施設による広域遠隔画像診断ネットワークを設置し,1,053例を対象とした。一次読影はマンモグラフィ実施施設でハードコピー診断した。二次読影はマンモグラフィ実施施設または川崎市マンモグラフィ検診読影医がハードコピー診断した後,画像を転送し,当教室でソフトコピー診断した。ハードコピー診断とソフトコピー診断の結果を比較し,カテゴリー3以上の診断一致率を検証した。<br>[結果]二次ハードコピー診断でカテゴリー1または2が956例で,この内,二次ソフトコピー診断で1または2が930例,3以上が26例であった。二次ハードコピー診断でカテゴリー3以上は97例で,この内,ソフトコピー診断で1または2が22例,3以上が75例であった。ハードコピー診断とソフトコピー診断の一致率κ値は0.751であった。<br>[考察および結論]ハードコピー診断と遠隔画像診断によるソフトコピー診断のカテゴリー3以上の一致率はよいとの結果が得られた。このことから,両者の診断精度には差異が少なく,遠隔画像診断によるソフトコピー診断は有用といえた。今後,マンモグラフィ検診における遠隔画像診断の活用が望まれる。

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