山形大学上名川演習林のスギ人工林における重量値による収量–密度図の構築とバイオマス動態シミュレーション

書誌事項

タイトル別名
  • Construction of a yield–density diagram using stem weight for a Japanese cedar plantation in Yamagata University forest, and biomass dynamics simulation
  • ヤマガタ ダイガク ジョウメイガワ エンシュウリン ノ スギ ジンコウリン ニ オケル ジュウリョウチ ニ ヨル シュウリョウ-ミツドズ ノ コウチク ト バイオマス ドウタイ シミュレーション

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抄録

国産材需要の低迷により間伐等の適切な管理がおこなわれていない森林が増加し,人工林の健全性に問題が生じている。一方で森林にはこれまでの木材生産あるいは生態系保全だけでなく,地球温暖化に対する炭素吸収源として機能が注目・期待されている。そこで本研究では山形大学農学部付属上名川演習林のスギ人工林において,これまでの幹材積を基準としたものではなく,重量値による収量–密度図を作成した。またこれを用いて間伐率の違いによるバイオマスとしての動態シミュレーションをおこなった。重量値による収量–密度図は,森林の炭素固定機能にも着目した新しい森林管理あるいはバイオマスとしての評価をするためのツールとして利用できると考えられる。またこれを利用した森林バイオマス動態のシミュレーションの結果から,どの林齢においても定期的な20%から40%の全層間伐によって将来的に大径木が増加する傾向がみられた。一方,本数密度の減少に伴って林分としてのバイオマスの総量は現在の100年生林分よりも少なかった。今後,バイオマスとしての動態シミュレーションの精度を高めるためには,より正確なバイオマスの成長量を把握する必要がある。

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