地域医療連携を通じた乳腺MRI診断プロセスの構築

  • 叶 亮浩
    医療法人社団そらち乳腺・肛門外科クリニック
  • 小西 勝人
    医療法人社団そらち乳腺・肛門外科クリニック

書誌事項

タイトル別名
  • Formulation of a System for MRI Diagnosis of Breast Cancer Based on Community Medicine Cooperation

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説明

当院ではマンモグラフィ(MMG)や超音波検査(US)で乳癌を疑うが診断に苦慮する症例に対し,地域医療連携を通じてMRI 検査を依頼することがあるが,従来まで明確な基準は定めていなかった。そこで今回,対象とする症例の基準や検査法を定めることで適切な診断プロセスの構築を目指した。対象はMMG/USで乳癌を疑うが,USガイド下でCNBが困難で診断に苦慮する症例とした。患側の造影早期高分解能撮像を主体としたMRI検査プロトコール(そらクリ・プロトコール)を作成し,BI-RADS-MRIを参考に,当院乳腺外科医と診療放射線技師が共同で当院にて読影を行い,その後の診療方針を決定した。その結果,検査依頼側の意向に沿い,かつ統一したMRI検査法とすることができた。対象とした19例中11例に悪性を示唆するMRI所見を認め,そこから追加検査により8例の乳癌を検出した。MRIで悪性を示唆する所見がある場合は追加検査により微細な病変を検出することができ,ない場合はその後の不必要な精査の回避等が期待できる。また,造影早期の高分解能撮像は腫瘤形成がないような早期乳癌の評価に優れると思われた。医療過疎が危惧される中で適切な基準や診療体制を整えることは地域や環境に関わらず,良質な医療を提供するために必要であり,今回の取組みは有用であると思われた。

収録刊行物

参考文献 (3)*注記

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