下腿と足部冷却が立位姿勢制御に及ぼす影響

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  • The effects of leg and foot cooling on balance in the standing position

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抄録

立位姿勢制御には体性感覚・視覚・平衡感覚の感覚入力が影響する。これらの感覚入力を変化させたときの立位姿勢制御に及ぼす反応を下腿・足部冷却前後で比較することを目的とした。SOTの重心前後動揺では, Test1, 2, 4, 6の項目で冷却後は冷却前に比べて有意に減少した。ストラテジ分析においても同様の項目で冷却後は冷却前に比べて有意に減少した。これらの結果は, 下腿全体の冷却により下腿・足部の表在受容器や固有受容器が冷やされて筋出力の低下が生じたと考えられる。MCTの反応時間においてはGrade5, 6で冷却前に比べて冷却後, 有意に遅延した。これは冷却による筋緊張の低下や神経伝達速度の遅延が関与している。反応力ではGrade2, 3, 5, 6の項目で冷却前に比べて冷却後, 有意に増加した。これは固有感覚入力が減退して視覚・前庭系の情報から頚部・体幹による代償的な姿勢制御機構が加わったためと考えられる。以上から, 5℃で下腿・足部を冷却すると表在感覚や固有感覚入力が低下すると示唆される。

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