港川フィッシャー遺跡(沖縄県八重瀬町)の更新世人骨出土情報に関する新たな知見

書誌事項

タイトル別名
  • New insights on the excavation and chronological status of the Late Pleistocene Minatogawa human fossils from Okinawa Prefecture
  • コウガワ フィッシャー イセキ(オキナワケン ヤエセマチ)ノ コウシン セジンコツ シュツド ジョウホウ ニ カンスル アラタ ナ チケン

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説明

港川フィッシャー遺跡からは個体骨4体分を含む「港川人骨」が知られている。人骨と共に採集された木炭片から18250 ± 650 BPと16600 ± 300 BPの未較正14C年代測定値が得られているが,出土情報の詳細が出版されていなかったことから,人骨と年代値との関係は定かでなかった。そこで,今回,現存する調査記録と出土情報を確認・分析し,特に,大山盛保と渡辺直経らによる1970年の「港川人骨」の発掘・採集について可能な限り明らかにした。東京大学に保管されてきた港川フィッシャー遺跡出土の動物骨と人骨に関連して,従来から,番号付きの資料カードが作成されており,出土グリッド,採取年月日,人骨片の部位などが記されている。これらの詳細情報と大山盛保による手記と図,および渡辺直経の記述は互いに整合性が高く,以下のことを確認することができた。1)港川2号・3号・4号人骨は,主として,渡辺が沖縄訪問中の1970年8月21日~23日の間にグリッドA2/A3~C4の範囲から採取・発掘されたものである。2)港川1号人骨は,主として1970年9月~11月に,グリッドC5/C6~D6にかけて大山が発見・採取したものである。3)14C年代測定の対象となった木炭片は2号・3号・4号人骨とイノシシ骨多数を産出した粘土層から採取したものと推論できる。また,今回の再評価調査の過程で,港川フィッシャー遺跡と山下町第一洞穴遺跡の人骨について,若干数の未発表資料を確認した。そこで,両遺跡関連の人骨資料について改めて標本リストを作成した。<br>

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参考文献 (34)*注記

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