ヒト及び他の哺乳類における椎骨の形態の比較

  • 史 常徳
    獨協医科大学第一解剖学教室
  • 西澤 哲
    東京都老人総合研究所運動機能部門
  • 足立 和隆
    筑波大学体育科学系応用解剖学研究室
  • 木村 賛
    東京大学大学院理科系研究科生物科学専攻人類科学

書誌事項

タイトル別名
  • Morphological Comparison of the Vertebrae in Humans and Some Other Mammals
  • ヒト オヨビ タ ノ ホニュウルイ ニ オケル ツイコツ ノ ケイタイ ノ ヒカク

この論文をさがす

抄録

椎骨は四肢骨と腸骨などと同様に, その動物が取る姿勢あるいは歩行パターンに適応した形態特徴を持つことが予想される。哺乳類の中で唯一直立二足姿勢を持つヒトの椎骨の形態変化は, 機能とどのような関係があるかということを明らかにする前段階として, その形態変化の特徴を抽出する必要があると考える。前回我々は姿勢の違う動物の椎体の形態変化を主観的に評価し, ヒトのみに見られる椎体の特徴を考察した。今回我々は隣り合う椎骨で計測値が大きく変化する部位を, 統計学的検定手法を用いることによって客観的に評価した。また計測項目も増やし椎骨の変化を総合的に評価した。この結果, 前回の結果に加えて以下のことがヒトの椎体の特徴として明らかになった。1. 椎孔横径が頚椎と腰椎で著しく大きい。2. 棘突起長が第6胸椎あたりで長く, 尾側に傾斜している。3. 椎体, 椎孔, 棘突起の矢状方向における割合は, 頚胸椎移行部付近と胸椎上位を除いては椎体と棘突起が椎孔を中心にしてほぼ同じ割合で分布する。

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (5)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ