チックに含まれる心理的な意味と対人関係上の役割

DOI
  • 原田 宗忠
    豊川市教育委員会附属心理教育相談室ゆずりは

書誌事項

タイトル別名
  • Psychological Meaning and the Interpersonal Role of Tics
  • Vocal and Sound Interactions in Play Therapy
  • プレイセラピーにおける音声表現の相互交流に注目して

抄録

本研究では, 児童養護施設に入所する, チックを持つ子どもの事例から, チックに含まれる心理的な意味と対人関係上の役割について, クライエントとセラピストとの音声表現の相互交流に注目して検討を行った。その結果, チックには迫害不安などの苦痛を伴う情動が含まれていると思われた。また, チックには苦痛を伴う情動を排出する役割や, 心理的苦痛を感じていることを示すことによってセラピストとクライエントとの相互交流を調整する役割があると考えられた。さらに, チックの心理療法では, クライエントのチックや言動の強さやテンポだけでなく, セラピスト自身の声や言動の強さやテンポにも注意することや, 音やリズムが前景に表れたクライエントの表現に対してセラピストが音声表現の形式を用いて返すことが重要であると思われた。そして, クライエントが排出した情動をセラピストが和らげて返すという関わりが, セラピーの進展に有効である可能性が考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679449225856
  • NII論文ID
    130004562169
  • DOI
    10.11377/sandplay.25.65
  • ISSN
    2186117X
    09163662
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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