児童養護施設における被虐待児との遊戯療法過程
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- 塚越 康子
- 群馬医療福祉大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Development of Play Therapy for an Abused Child at a Children’s Nursing Home
- 箱庭表現と守り
- Expression and Protection through Sandplay
説明
本論文では児童養護施設における被虐待児との5年間の遊戯療法過程での箱庭や遊びの表現を取り上げ,被虐待児のクライエントにとっての守りとなったものを検討した。言語的表現が苦手なクライエントは,セラピストとの最初の出会いでの体験からセラピストへの安心感を持ち,心理療法初期から自己の内的世界を箱庭や遊びの中で自由に表現することに繋がった。母親との葛藤に直面化する日常の出来事が起こるたびに,彼の内的世界は大きく崩れたが,心理療法における場所や時間など治療的な枠組みとセラピストとの関わりが守りとなり,遊戯療法の中で内的世界を自由に表現した。さらに,箱庭や遊びで表現できることの守り,箱庭の枠や箱庭の中の柵の守りなど幾重もの守りが彼の自我の成長を促し,クライエントは主体的に生きていくことを選べるようになったと考えられる。
収録刊行物
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- 箱庭療法学研究
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箱庭療法学研究 28 (1), 45-56, 2015
日本箱庭療法学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679449806336
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- NII論文ID
- 130005124676
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- ISSN
- 2186117X
- 09163662
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可