背臥位から長坐位までの起き上がり動作における運動パターンと所要時間の分析

  • 梁川 和也
    介護老人保健施設長山リハビリテーション室
  • 吉田 忠義
    東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
  • 藤澤 宏幸
    東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科

書誌事項

タイトル別名
  • ハイガイ カラ チョウザイ マデ ノ オキアガリ ドウサ ニ オケル ウンドウ パターン ト ショヨウ ジカン ノ ブンセキ

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抄録

本研究の目的は健常成人における起き上がり動作の運動パターンならびに所要時間について明らかにすることとした。対象は健常大学生68名(年齢20.4±0.6歳)とした。測定条件は通常速度および最大速度での起き上がりとし,矢状面と前額面の2方向からビデオカメラにて測定後,運動パターンを分類した。所要時間の計測はストップウォッチを使用し,1人の被検者につき3回繰り返して測定し平均値を採用した。通常速度ではon elbowパターンを用いたのは30名(2.3±0.3 sec),pushパターンを用いたのは20名(2.2±0.2 sec),reachパターンを用いたのは18名(2.4±0.3 sec)であった。最大速度ではon elbowパターンを用いたのは23名(1.4±0.2 sec),pushパターンを用いたのは37名(1.3±0.1 sec),reachパターンを用いたのは8名(1.5±0.3 sec)であった。両測定条件とも側臥位パターンは観察されなかった。また,通常速度・最大速度とも3群間の所要時間に有意差は認められなかった。これにより,動作速度が速くなるにつれ,HATの重心の軌道が短く運動効率が良いpushパターンを選択したと考える。また,3群間で所要時間に有意差が認められなかったのは,ストップウォッチ使用による測定誤差やHATの重心の移動距離に大きな違いがなく,対象者自身のわずかな内的あるいは外的要因によって選択される運動パターンが異なったのではないかと考える。<br>

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