食物アレルギー患者へのエピペン処方症例の検討

  • 佐藤 さくら
    独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
  • 田知本 寛
    独立行政法人国立病院機構相模原病院小児科
  • 小俣 貴嗣
    独立行政法人国立病院機構相模原病院小児科
  • 緒方 美佳
    独立行政法人国立病院機構相模原病院小児科
  • 今井 孝成
    独立行政法人国立病院機構相模原病院小児科
  • 富川 盛光
    独立行政法人国立病院機構相模原病院小児科
  • 宿谷 明紀
    独立行政法人国立病院機構相模原病院小児科
  • 海老澤 元宏
    独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部

書誌事項

タイトル別名
  • PROFILES OF FOOD ALLERGY PATIENTS WITH PRESCRIPTION OF EPIPEN IN OUR DIVISION

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説明

アナフィラキシー補助治療薬のエピペン®が我が国で発売され,2004年5月から2005年10月まで当科で同薬を処方した食物アレルギー患者は50名(男33名,女17名,0.3mg:15名,0.15mg:35名)に上る.対象の平均年齢は6.8歳でアトピー性皮膚炎合併が78%,気管支喘息合併が52%であった.原因食品摂取時に呼吸器症状を96%,皮膚症状を92%に認めた.アナフィラキシー症例は48例で,食物アレルギー発症時の臨床型は36例が“食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎”,即時型症状8例,食物依存性運動誘発アナフィラキシー4例であった.アナフィラキシーを起こした理由は,初回,2回目以降も誤食によるものが最多であった.アナフィラキシー反復例は31例で,複数抗原に対してアナフィラキシーを起こした例や原因不明例も存在した.今回の処方50例中実際に使用された例は1例あり,17歳のナッツアレルギー患者において使用され著効していた.医師,コメディカルにおいてまだ認識が不十分なエピペンであるが,アナフィラキシーを起こす可能性のある食物アレルギー児に対して保護者と相談の上で処方していくべきである.

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被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (28)*注記

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