エピペン<sup>®</sup>を右母指に誤注射した生来健康な10歳男児例

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  • Accidental injection of EpiPen<sup>®</sup> in right thumb of a healthy 10-year-old boy

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説明

<p>今回, アドレナリン自己注射薬エピペン®を右母指に誤注射した小児例を経験したので報告する. 症例は生来健康な10歳男児. エピペン®を所持している8歳男児と2人で遊びに行った. 8歳男児が持参したリュックが開いており, 10歳男児がその中のエピペン®を見つけ, 興味があって取り出した. 筆記用具の 「ペン」 だと思い込み, 安全キャップを抜いて, 可動するニードルカバーを押したところ右母指腹側中央に誤注射した. 自力ではエピペン®が抜けずに自宅へ戻り, 母親が抜いて, 誤注射から1時間後に当院を受診した. 受診時, 頻脈や血圧上昇はなかったが, 右母指爪甲下の一部が蒼白となっていた. 特に薬剤の使用はせずに経過観察とした. 爪甲下の蒼白部位は誤注射7時間後には縮小, 1日後には消失したが, 淡青色に変化した. 組織壊死や骨髄炎の合併はなかった. 状況から, エピペン®の針は右母指末節骨に刺さり, 薬液の一部が右背側指動脈に作用し血管収縮したため, その部位が虚血に至ったと考えられた.</p>

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