樹状細胞機能からみた自然免疫とアレルギー性炎症との接点

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タイトル別名
  • THE LINKAGE BETWEEN INNATE IMMUNITY AND ALLERGIC INFLAMMATION FROM THE POINT OF VIEW OF DENDRITIC CELL FUNCTION

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エリスロマイシンは抗菌作用のみならず,抗炎症作用を持つことから慢性気道炎症性疾患への応用が注目されている.樹状細胞は気管支喘息の病態における抗原感作とアレルギー性炎症の増悪に重要な役割を持つと考えられることから,エリスロマイシンが病原体由来の刺激による樹状細胞の活性化とT細胞刺激に及ぼす影響について検討した.その結果,エリスロマイシンは poly (I:C) と LPS 刺激による樹状細胞の表面マーカー発現とサイトカイン産生を選択的に抑制した.エリスロマイシンはpoly (I:C) と LPS 刺激によるIRF-3 活性化,IFN-β産生を抑制し,poly (I:C) 刺激によるナイーブT細胞のTh1分化を特異的に抑制した.また,エリスロマイシンは peptidoglycan 刺激を受けた樹状細胞によるメモリーT細胞の IL-17産生誘導も抑制した.これらの結果からエリスロマイシンは,アレルギー性炎症を修飾する気道感染の病原体刺激の種類により異なる抗炎症作用を示すことが示唆された.

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参考文献 (17)*注記

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