マカダミアナッツによる口腔アレルギー症候群によりアナフィラキシーショックに至ったと考えられた1例

  • 山田 伸治
    杏嶺会一宮西病院小児科 現 みのりクリニック小児科アレルギー科
  • 水川 花織
    杏嶺会一宮西病院小児科

書誌事項

タイトル別名
  • A case report of oral allergy syndrome involved anaphylactic shock caused by macadamia nut

この論文をさがす

説明

症例は14歳女子.アトピー性皮膚炎,ソバなどの食物アレルギー,花粉症の既往がある.小学6年生頃,種類は不明だがナッツ入りチョコレートを摂取して一過性咽頭違和感を生じた.今回,マカダミアナッツパウダー入りクッキーを摂取,咽頭違和感の後,全身皮膚発赤掻痒,呼吸困難,頭痛,腹痛,血圧低下などを生じ救急搬入,アナフィラキシーショックとしてアドレナリン投与を含む治療を受け軽快した.マカダミアナッツの皮膚テストは陽性,研究用項目として後日提出した特異的IgE(ImmunoCAP® f345)は15.1UA/mL(class 3)であり.マカダミアナッツによる即時型アレルギーと診断した.本例は幼児期から花粉症が先行,ナッツ入りチョコレートで咽頭違和感を生じた既往を有し,今回も咽頭違和感から始まり全身症状に進展した経過のため,マカダミアナッツによる口腔アレルギー症候群(OAS)が関与したと考えた.マカダミアナッツによるOASは,本例のようにアナフィラキシーショックに至る例もあり,一般病院でも可能な,迅速かつ確実な診断方法の早急な確立が望まれる.

収録刊行物

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ