異所性静脈瘤と経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術 (TIPS)

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タイトル別名
  • Ectopic varices and transjugular intrahepatic portosystemic shunt

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抄録

異所性静脈瘤とは門脈圧亢進症による副血行路が形成する胃食道静脈瘤以外の腹腔内静脈瘤をさす.経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術(Transjugular intrahepatic portosystemic shunt: TIPS)は門脈圧を大きく低下させるため異所性静脈瘤の治療として有用な可能性がある.既報によれば,TIPSによる異所性静脈瘤破裂の緊急止血率は約90%であり,約25%にシャント狭窄・局所的原因などを理由に再出血が見られる.術後の生存率は基礎疾患の重症度に左右されるがChild-Pughスコアが8点程度の場合には1年生存率は約80%である.異所性静脈瘤は頻度が少ないため現在まで各種治療法の比較試験は為されていない.その治療戦略の確定には今後の検討が必要である.

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