緩和ケア病棟における家族を対象としたサポート・グループでの語りの様相

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タイトル別名
  • Narratives in Support Groups for Families of Patients in a Palliative Care Unit
  • カンワ ケア ビョウトウ ニ オケル カゾク オ タイショウ ト シタ サポート グループ デノ カタリ ノ ヨウソウ

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抄録

<p>要 旨</p><p>本研究は,緩和ケア病棟に入院中の患者の家族を対象とするサポート・グループ(以下,SG)を開催し,そこでの家族の語りの様相と語ることの意味について検討することを目的とした.研究方法は,家族を対象としたSGを緩和ケア病棟内で開催し,研究参加への同意を得られた場合にのみSGでの語りを録音し,研究データとした.データは,意味内容に着目して質的に分析した.分析の結果,家族の語りからは,【緩和ケア病棟への入院に至るまでの歩みと苦悩】【目に見えて衰えていく患者の様子】【死を感じながらも生と向き合う患者の心情】【患者の変化とともに揺れ動く家族の心情】【困難な状況に何とか応じようとする家族の姿勢】【患者に付き添うことによって得る気づきと直面する問題】【SGへの参加から家族が得たこと】の7つのカテゴリーが導き出され,刻々と変わっていく患者とともに揺れ動く家族の思いや経験の様相が明らかになった.SGへの参加は,語ることをとおして自らの経験を意味づけるきっかけを得たり,共感や励ましを受ける機会にもなっていた.緩和ケア病棟におけるSG は,同じような境遇にある者同士が語る機会・語る場を提供することにおいて意義があると示唆された.</p>

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