水問題と経済学

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抄録

水問題はその社会経済的背景の変化とともに,移り変ってきたが,現在は転換期的状況にある。今後の展望を考えるために,水に関する経済学のかかわりについて,歴史的に概観を試みたい。<BR>戦後の経済復興と水害の頻発状況の中で,階級闘争的な視点から問題提起した佐藤武夫は,「水の経済学」を著した最初の経済学者であった。彼の信念は正義感に裏付けられていたが,豊富な体験を踏まえた鋭利さがあった。<BR>その後,アメリカから費用便益分析が,公共事業投資基準として導入され,機能的分析が中心となった。しかしそれにはかなり限界があり,絶対的なものではない。<BR>ポスト高度成長期の現在,水の価値に公共経済的視点において生活者的発想基盤から,水に対する経済学も転換する必要がある。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679457123072
  • NII論文ID
    130003439381
  • DOI
    10.6012/jwei.1987.48
  • ISSN
    18839398
    09138277
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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