外来でカペシタビン治療を受ける再発・進行乳がん患者の 手足症候群のセルフマネジメントの実態

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タイトル別名
  • Self-Management of Hand-Foot Syndrome in Recurrent or Advanced Breast Cancer Patients Treating with Capecitabine: a Qualitative Study
  • ガイライ デ カペシタビン チリョウ オ ウケル サイハツ ・ シンコウ ニュウガン カンジャ ノ テアシ ショウコウグン ノ セルフマネジメント ノ ジッタイ

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抄録

<p>要 旨 </p><p>手足症候群(以下,HFS)のマネジメントには,患者の日常生活におけるさまざまな要因が関連していると考えられるが,HFS に関する患者の生活やセルフマネジメントの実態はあまり分かっていない.本研究は,外来でカペシタビン治療を受ける再発・進行乳がん患者が,どのようにHFS マネジメントを行っているかを明らかにするため,21 名の患者に半構造的面接法による調査を行った.データは逐語録に起こし,質的データ分析法に基づいて分析した.その結果,研究参加者の行うHFS マネジメントは,『治療継続と自分らしい生活の両立』という現象であることが分かった.</p><p>これは,【HFS が治療や生活に及ぼす影響の認識】【手足の皮膚の変化に対する関心】【手足の皮膚をいたわる努力】【努力を続けていける見込み】【現状と治療目標のすり合わせ】の5 カテゴリーから成り,これらが循環していくプロセスとして構造化された.【現状と治療目標のすり合わせ】は,療養生活における優先順位を再考し,治療目標の修正や治療に関する体験の意味づけを行うもので,HFS の症状や,予防策を行うことによる生活への影響を考慮しながら,おのおのの治療目標を吟味して,治療の継続と自分らしい生活の維持の両方を目指そうとしていた.</p><p>医療従事者は,カペシタビン治療を受ける患者に対して,一般的な知識の提供に留まらず,治療における意思決定支援を含めた,療養生活全体についてアセスメントし,個別的なサポートを継続していくことで,患者のHFS マネジメントを強化できると考えられる.</p>

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