ハシブトガラスにおける味蕾の形態とその分布について

  • 刘 利
    東京農工大学連合農学研究科 宇都宮大学農学部動物機能形態学
  • 杉田 昭栄
    東京農工大学連合農学研究科 宇都宮大学農学部動物機能形態学

書誌事項

タイトル別名
  • Morphological studies of taste buds and distribution of taste pores in the Large-billed Crow <i>Corvus macrorhynchos</i>
  • ハシブトガラス ニ オケル ミライ ノ ケイタイ ト ソノ ブンプ ニ ツイテ
  • Morphological studies of taste buds and distribution of taste pores in the Large-billed Crow Corvus macrorhynchos

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抄録

本実験では走査型電子顕微鏡(SEM)と光学顕微鏡により,ハシブトガラスCorvus macrorhynchosの味孔と味蕾の分布および形態学的特徴について研究を行った.口腔表面に2種類の開口部が認められた.大型の開口部は渦状または紡錘状で,孔の直径は50 μm以上であった.一方,小型の開口部は円形で,その孔の直径は10 μm以下であった.光学顕微鏡観察で認められた唾液腺導管の開口部と味孔の直径は,ほぼSEMにより観察された大小2種類の開口の大きさにそれぞれとほぼ一致するものであった.さらに,大小の開口部の位置関係から,大型の開口部は唾液腺の導管開口部に相当し,小型のそれは味孔と判断された.また,口腔表面では平均537(SE=38.4, N=4)個の味孔が観察され,上顎部に18.5%,下顎部に81.5%の割合で存在し,舌表面では味孔も味蕾も観察されなかった.また,味蕾は明調,暗調および支持細胞の3種類の味細胞によって構成されていることが分かった.

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参考文献 (45)*注記

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