ターミナル期にあるがん患者の自己の支えを振り返る体験

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タイトル別名
  • Experiences of Terminally Ill Cancer Patients: Reflecting on Their Inner Strengths
  • ターミナルキ ニ アル ガン カンジャ ノ ジコ ノ ササエ オ フリカエル タイケン

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抄録

<p>要 旨</p><p>本研究の目的は,ターミナル期にあるがん患者の自己の支えを振り返る体験とその意味を明らかにすることである.緩和ケア病棟に入院中のがん患者5名を対象に,現象学的アプローチを参考とし,非構成的面接,半構成的面接を行い,Colliazi. Pの方法を参考に分析を行った.自己の支えを振り返る体験の意味をまとめた結果,以下が見いだされた.【他者とのつながりの中で,自分らしさを保つ】は,重要な存在である他者との関係の振り返りを通して得られるものであり,今の自己を成り立たせる基盤や安心できる存在の確認を意味していた.【自己を肯定的に受け止める】とは,つらい状況に向き合い,その中でどう在るかと考えていくことを意味していた.【自分らしさを高めていく】とは,これまで行ってきた仕事や好きなことの振り返りを通して,その意味や価値を見いだすことであった.これは,自分らしさの感覚を高め,より自分らしく在ることを意味していた.研究協力者は,自己の支えの振り返りを通して,困難な状況の中でもより自分らしく在ることを求め,生きようとしていることがうかがえた.</p>

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