高血圧自然発症ラットにおける内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)タンパク質およびアンジオテンシンIIタイプ1(AT_1)受容体タンパク質の発現に及ぼすカムカム(Myrciaria dubia)果汁の影響

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タイトル別名
  • Induction of Endothelial Nitric Oxide Synthase by Oral Administration of Camu-Camu (Myrciaria dubia) Fruit Juice to Spontaneously Hypertensive Rats

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カムカム(フトモモ科,学名Myrciaria dubia)は,南米ペルーに自生し,果実中にビタミンB_1,ビタミンB_2,ビタミンC,ナイアシン,クエン酸,カルシウム,ポリフェノールなどを豊富に含む。本研究では,カムカム果汁100%を用いて,高血圧自然発症ラット(SHR)に対する血圧上昇抑制について検討を行った。SHRの収縮期および拡張期血圧は,カムカム果汁液投与5週間において有意に減少した。しかし,WKYの収縮期および拡張期血圧は,カムカム果汁液投与による影響は認められなかった。大動脈nitric oxide synthase(NOS)および血清ACE活性は,カムカム果汁液投与による有意な差は認められなかった。大動脈endothelial NOS(eNOS)およびAT_1受容体タンパク発現は,SHRおよびWKYの群間に有意差は認められなかったが,カムカム果汁液投与によるSHRの大動脈eNOSタンパク発現は,水道水投与によるSHRと比較して有意に増大した(p<0.05)。本結果より,ポリフェノール類およびビタミンCを含むカムカム果汁液投与による血圧上昇の抑制については,SHRのeNOSタンパクの増大に関与する可能性が考えられた。さらに,カムカム果汁は内皮依存性弛緩の障害を減弱させ,SHRの血管内皮細胞において,NO産生の増大に関与する可能性が考えられた。

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