教育委員会に所属する学校カウンセラーの介入が不登校生徒への校内支援体制に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • The Effects of Intervention by School Board Counselor on School Support System for School Refusals
  • キョウイク イインカイ ニ ショゾク スル ガッコウ カウンセラー ノ カイニュウ ガ フトウコウ セイト エ ノ コウ ナイ シエン タイセイ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

本研究の目的は,教育委員会所属のSCによる教師,校内支援体制および学校マネジメントへの介入が不登校生徒への個別援助に及ぼす影響を検討することである。援助対象のAさんは不登校に陥り,保健室への登校を願い出たが,校長の「生徒を甘やかさないよう保健室利用を制限する」という方針のために許可が得られなかった。その折,市の教育委員会の再登校支援システムにおいて,不登校生徒を対象に学校単位で毎月支援会議が開催され,会議にはコンサルタントとしてSCが派遣された。SCのコンサルテーションによって別室登校に対する校長の認識は肯定的評価に転換し,別室登校に対するチーム援助が開始された。教職員が役割分担して学習援助と級友との関係形成を援助し,援助開始から3か月でAさんは教室に復帰した。SCが学校組織に介入して問題解決モデルを提供することで,直接援助者が援助効力感を獲得して問題解決志向を高め,校内支援体制が再構築された。不登校生徒へのチーム援助には問題解決モデルが必要で,援助の実行には管理職による肯定的評価が不可欠であること,マネジメントの転換には上位組織である教育委員会からの学校支援が有効であることが示唆された。

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