視点別意識尺度の作成とその信頼性・妥当性の検討

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タイトル別名
  • Development and Validation of Perspective-Based Consciousness Scales
  • シテン ベツ イシキ シャクド ノ サクセイ ト ソノ シンライセイ ダトウセイ ノ ケントウ

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抄録

本研究の目的は,自己意識や他者意識を視点と観察可能性の次元によってとらえる視点別意識尺度を開発することであった。研究1では,視点別意識尺度を作成するために大学生465名を対象に質問紙調査を行った。探索的因子分析の結果と理論的観点からいくつかのモデルを想定し,検証因子分析を行った。AIC(赤池情報量基準)の比較によって最適なモデルが同定された。自己に対する意識,他者からみた自己に対する意識,他者に対する意識の3つの尺度が作成され,いずれの尺度も, 内面への意識の因子と外面への意識の因子から構成される2因子構造であった。尺度項目は本研究の理論と一致するもので,視点別意識尺度の因子的妥当性が確かめられた。研究2では,作成した尺度について,再検査信頼性,併存的妥当性,弁別的妥当性,収束的妥当性の検討を行った。研究1に参加した71名の大学生を対象とした質問紙調査の結果,視点別意識尺度はおおむね満足できる信頼性と妥当性を有することが確かめられた。自己意識や他者意識を新しい枠組みからとらえたことで,新しい理論的展開が期待される。

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