東日本大震災からの復興と医学研究の倫理 : 東北メディカル・メガバンク計画をめぐって
-
- 末永 恵子
- 福島県立医科大学
書誌事項
- タイトル別名
-
- Revival of the Great East Japan Earthquake disaster and the ethics of medical research : The Tohoku Medical Megabank Project
この論文をさがす
抄録
医学は人間の生命と尊厳を守ることを最終目的としているので、医学研究はヒューマニズムに基づく行為と見なされがちである。しかし、一般論では医学研究は肯定されても、それが実施される時期や地域や社会環境によっては、社会との調和のとれない状況を呈することがある。その研究の意義や有益性は認められても、社会状況にそぐわないとして批判され、再検討を求められている場合もある。本稿が取り上げる「東北メディカル・メガバンク計画」の問題は、まさにその代表例といえる。「なぜ今被災地で、ゲノム研究をするのか」という疑問の声は、計画のはじめから現在まで絶えない。そこで、この事業の推進論と反対論の主張を取り上げ、両者の議論の対立点を洗い出した上で、被災地における医学研究および医療政策はどのようにあるべきなのか、方向性やその意思決定の手続きについて考察することとしたい。
収録刊行物
-
- 生命倫理
-
生命倫理 24 (1), 163-170, 2014
日本生命倫理学会
- Tweet
キーワード
詳細情報
-
- CRID
- 1390282679460863104
-
- NII論文ID
- 110009959787
-
- ISSN
- 2189695X
- 13434063
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可