インフォームド・コンセントの概念に関する一考察

  • 宮崎 真由
    大阪府立大学大学院人間文科学研究科博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • Consideration of the concept of informed consent

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説明

これまで、インフォームド・コンセント(以下IC)について議論するときには、患者個人の「医療に参加」や「自己決定」に焦点が絞られて議論されてきた。だが、アメリカでは、患者だけでなく、患者を取り巻く様々な「関わり」にも注目して、インフォームド・コンセントを捉えようとする概念が出てきている。こうした概念には2つの傾向があると思われる。ひとつは、「患者と家族等との『関わり』を重視したIC概念」である。そしてもうひとつは、「医師と患者との『関わり』を重視したIC概念」である。これらの議論を通じて、私は、ICの概念には、第1に、患者が「医師」や「家族」等との「関わり」の中で存在するということ、第2に、患者の意思が最も尊重されるという視点が必要であると考えた。この概念を実現するために、患者が「治療法について考える」過程と、患者が「治療法を決定する」過程との2つの過程に分けて、ICを捉えるべきだと提案したい。

収録刊行物

  • 生命倫理

    生命倫理 13 (1), 198-204, 2003

    日本生命倫理学会

参考文献 (20)*注記

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