適応指導教室での充実感と登校行動との関連

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タイトル別名
  • The Relationship between Fulfillment Feeling in Adjustment Guidance Class for School Refusal Students and Their Behavior to Attend School
  • テキオウ シドウ キョウシツ デ ノ ジュウジツカン ト トウコウ コウドウ ト ノ カンレン

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抄録

本研究の目的は,適応指導教室に通級する中学生が原籍校への登校行動を形成するために有効な援助内容と,その順序を明らかにすることである。適応指導教室に通級する中学生360名に質問紙調査を行った結果,適応指導教室から原籍校への登校行動は,以下の段階を経て形成されることが示唆された。(1)適応指導教室充実感が高まる,(2)適応指導教室から原籍校への部分登校充実感が高まる,(3)「学校への挑戦」を決意する,という3段階である。また,「登校行動」を直接予測する要因として,適応指導教室での「仲間との関係」が抽出された。適応指導教室充実感下位尺度「相談員との関係」は,適応指導教室からの部分登校充実感下位尺度「教師との関係」,「学校への挑戦」を媒介して「登校行動」を予測した。しかし,パス解析では,適応指導教室からの部分登校充実感尺度「教師との関係」と「登校行動」の説明率が低く,適応指導教室での援助によって期待できるのは,「学校への挑戦」認知の変容までだと指摘できる。登校行動形成のためには,適応指導教室だけでなく,原籍校の援助環境も視野に含めた援助が必要であることが示唆された。

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