アラキドン酸および関連高度不飽和脂肪酸を含む微生物油脂生産

  • 櫻谷 英治
    京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻
  • 安藤 晃規
    京都大学学術融合教育研究推進センター生理化学研究ユニット
  • 清水 昌
    京都学園大学バイオ環境学部
  • 小川 順
    京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Production of Microbial Lipids Containing Arachidonic Acid and Its Related Polyunsaturated Fatty Acids
  • アラキドンサン オヨビ カンレン コウド フホウワ シボウサン オ フクム ビセイブツ ユシ セイサン

この論文をさがす

抄録

高度不飽和脂肪酸(PUFA)のような機能性脂質の応用研究は,「健康」 や 「栄養」 に関わる様々な分野で行われてきた。特に注目されてきた炭素鎖長20以上のPUFAの供給源は,鶏卵に含まれるアラキドン酸や魚油に含まれるn-3 PUFAが主なものであった。炭素鎖長20以上のPUFAを生産する微生物スクリーニングにより,アラキドン酸を豊富に含むトリアシルグリセロールを生産する油糧微生物Mortierella alpina 1S-4が見いだされた。M. alpina 1S-4において,油脂の生産量は20 g/lに達し,総脂肪酸に占めるアラキドン酸の割合は30~70%を占める。これまでに,M. alpina 1S-4から様々な変異株が誘導され,多様なPUFAが生産されるようになった。さらに,M. alpina 1S-4の形質転換系の開発により,PUFA生合成に関わる酵素遺伝子の解明やPUFA生産の向上が可能となった。本稿では,M. alpina 1S-4の育種(変異株育種と分子育種を含む)によるアラキドン酸とその関連PUFAの実用的な微生物生産について報告する。

収録刊行物

  • Oleoscience

    Oleoscience 12 (7), 263-272, 2012

    公益社団法人 日本油化学会

参考文献 (6)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ