摂食障害に対する反復性経頭蓋磁気刺激法の効果

DOI
  • 中里 道子
    千葉大学大学院医学研究院子どものこころの発達研究センター 千葉大学医学部附属病院こどものこころ診療部
  • 木村 大
    千葉大学大学院医学研究院精神医学
  • 金原 信久
    千葉大学大学院医学研究院精神医学 千葉大学社会精神保健教育研究センター
  • 伊豫 雅臣
    千葉大学医学部附属病院こどものこころ診療部 千葉大学大学院医学研究院精神医学 千葉大学社会精神保健教育研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of repetitive transcranial magnetic stimulation (rTMS) for eating disorders: a possible novel therapeutic approach to severe and enduring eating disorders
  • ─難治例への適応について─

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抄録

<p>摂食障害(eating disorders;ED)は,さまざまな身体合併症,うつ病,不安障害などの併発精神障害を伴い,致死率の高い精神疾患である。成人の神経性無食欲症(anorexia nervosa;AN)は,有効な治療法のエビデンスが確立されておらず,自己誘発嘔吐や過食,下剤乱用などを伴う難治例は,医療経済的にも多大なコストを要し,ケアに著しく人手を要するために家族の負担が高い。低体重や低栄養状態,身体合併症,精神症状などの回復に向けて,長年にわたって生物心理社会的(biopsychosocial)な多面的アプローチを要する。近年の脳画像研究から,EDの神経回路と病態生理との関連に関心が高まっており,ED難治例に対する治療選択として,rTMSなどの効果が新たな治療法として注目されている。本稿では,過食,自己誘発嘔吐を伴う慢性化した難治AN患者に対して,高頻度rTMSを実施し,過食嘔吐の消失,1年後の維持効果も認められた自験例を提示した。 rTMSの難治ANに対する治療戦略の可能性を考察した。</p>

収録刊行物

  • 総合病院精神医学

    総合病院精神医学 26 (2), 145-153, 2014

    一般社団法人 日本総合病院精神医学会

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